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神の国-全地の希望
原題:The Kingdom, the Hope of the World


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新しき名称 編集

一九三一年七月廿四日より卅日までの一週間に渉って米国オハヨー州コロンバス市に於てクリスチヤンの国際大会議が開催された。彼等は地上諸国より参集し来り、多くの国語を語る人々を代表してゐた。同七月廿六日に開催されたる大集会に於て左の如き決議が満場一致を以て通過したが、この決議は広く全地の人々に向かつて声明される事となった。(発行者しるす)

一八七四年頃、聖書の預言の成就に基きて主イエス・キリストが「エホバの御前に道を備ふる」仕事を開始し、地上に在る忠信なる追随者に対して基礎的真理を復興して、かつて一度主イエスと其の使徒達によつて教へられて後永らくの間偽教理を教ふる他の者等によつて晦まされ居たるそれ等基礎的真理の明快なる諒解を与え給へり。

其の時以後、四十余年の一期間に渉りて、エホバの僕の一人にして主イエス・キリストの忠信なる追随者のひとりなるCharles T. Russellはキリストに在る己が兄弟等の一団を率ひて、神の言の教示と宣明に努め、特にキリストの再臨、その御国の建設、地上に於ける人類の復興に関する諸真理を宣べ伝えたり。[31]而して此の仕事を秩序的に行ふ為に以上のクリスチヤンの集団は、The Watch Tower and Tract Society(灯台社)とThe International Bible Students Association(万国聖書研究会)及び其の他聖書に関する印刷物を発行せり。該期間を通じて此のクリスチヤンの集団はRusselites(ラツセル派)、Millenial Dawn People(千年紀の曙派)、International Bible Students Association(万国聖書研究会)其他の幾多類似の諸名称を以て呼ばるゝに至れり。

Charles T. Russellの死後間もなく、彼と共に働き居りし人々の間に分裂を生じ、其の結果として或る人々は、The Watch Tower Bible and Tract Societyより脱退すると共に、爾来之等の人々は本会と協働する事を拒絶し、亦The Watch Tower Bible and Tract Societyより発行さるゝ「灯台」誌及び以上の諸協会より発行する最近の諸刊行物を受け容るを拒絶すると同時に神の国の福音を宣明し、サタンの組織制度の全部に対して降る我等の神エホバの刑罰の日の到来を声明する本会の仕事に反対しつゝあり。而して上記の反対者等は各種各様の群小団体を作りてBible Students(聖書研究者)、Associated Bible Students(聖書研究者連盟)、「ラツセル牧師直伝の真理を保つラツセル派」、「固く立つ者」等の名称を附し、真偽両者の間に混乱と誤解を生ずるに至れり。

[32]故に我等は今、我等の立場を明らかになすは聖書中に明示されある神の聖意に一致するものなりと信じて左の如き決議をなす、即ち、

我等はCharles T. Russell兄の為せし仕事の為に同兄に対して大なる愛を有する者にして、同兄は主によりて用ひられ、其の仕事の上に大なる祝福を神より受けし事を喜んで承認す。されど我等は神の言の示す処に違背しつつも尚ほ「ラツセル派」の名を以て呼ばるる事を承認する者に非ず。 The Watch Tower Bible and Tract Society. The International Bible Students Association及びThe Peoples Pulpit Associationは単に法律的社団の名目にして、我等はクリスチヤンの集団として、神命に従つて為すべき我等の仕事を進むるに当りて之等の社団を保ち、支配し、使用するにしても、然かも尚ほ、我等の主なるイエス・キリストの御跡を追随するクリスチヤンの一集団としての我等の上には之等社団の名称の一も適用さるべきに非ず。我等は聖書の研究者にしてクリスチヤンの一団として一の社団を組織するにしても、神の前に於ける我等の立場を識別する目的を以て「聖書研究者」又は之と類似の名称を持って呼ばるゝ事を拒絶する者にして、同時に我等は又如何なる人間の名称を以て呼ばるるをも絶対に拒絶する者なり。

[33]我等の主にして贖ひ主たるイエス・キリストの貴き血を以て買はれ、神エホバによつて義とされ新たに生まれさせられて、神の国に召されたる我等は、神エホバと其の御国に対する我等の絶対帰順を喜び進んで声明す。我等は神エホバの僕にして、神の御名に於て仕事をなすべく正式の任命を受けたる者なり。我等は神命に服して、イエス・キリストの証言を伝達し、人々に向かつてエホバが唯一の真の全能の神に在す事を知らしむ。此の故に我等はエホバが其の御口を以て示し給へる名称を喜んで受くる者にして、我等は今後、神の示し給へる名称、即ち「エホバの証者」の名を以て呼ばるべき事を此処に声明す。(イザヤ書四十三章十-十二節。六十二章二節。黙示録十二章十七節)。

エホバの証者たる我等の有する唯一の全目的は唯神命に絶対服従する事のみにあり。我等は、エホバが唯一の真の全能の神に在す事、神の御言は絶対真実にして、尊貴と栄光の全部はエホバの聖名の上に帰すべき事、キリストは神が全権威を帯ばしめて立て給ひし王なる事、キリストの統治し給ふ神の国はすでに到来せる事を宣明するの責務を有す。而して今我等は、神命に服して、此の善き福音を証言として全地諸国に伝達し、その主権者たちと民衆に向かつて、残忍暴戻なるサタンの悪組織制度特に所謂「キリスト国」なる邪悪分子の正体に就て真摯なる警告をなすと共に、最も近き将来に於て此のサタンの邪悪組織制度を撃滅一掃し給ふ神の御目的と、それに続いて王なるキリストが地上の服従者に対して平和、繁栄、自由、健康、幸福、永久の生命を与え給ふ大なる御仕事に就ての宣明をなす者なり。[34]神の国は全地の唯一希望にして、人類の希望を繋ぐべきものは他に絶無なり。而して此の喜びの音信は今、「エホバの証者」として識別されたる者等の手によつて伝達されざるべからず。

我等は謹んで声明し、エホバと其の御国、全く帰順する人士の全部が此の福音を他に伝達するの仕事に参加して、以て神の旗印を高く掲揚し、全地の人々をして彼等の救済に対する真の希望を何処に求むべきかを知らしめん事を勧告す。而して以上の全てに勝りてエホバの偉大なる聖き御名は之によりて証明せられ、高く崇めらるべし。

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