FANDOM


| English | 日本語(Japanese) |


神の救ひ
(神の救い)


原題:Deliverance



[2]

天地全宇宙の創造主に在す

全能の神エホバ
の聖名の為の証言として
此の書を捧げ奉る

『汝等は我が証し人なり』

(イザヤ書四十三章十節)

[3]

序言 編集

本書は天地全宇宙の創造者にして支配者に在し所有主に在す神エホバがいかにして全人類を悪魔とその悪しき制度の下より救い出して、永遠の生命、幸福、自由、平和、繁栄、健康の祝福に導き行かれるかを語る神の御計画の詳細を聖書に基きて最も平易に解明したる最良の書である。全人類の過去、現在、未来は本書一巻の中に悉く包含さる。基督教信者たると否とを問わず一般各位の熟読を勧告す。

西暦一九二七年九月

須磨一ノ谷にて 訳者誌す

[270]

第十一章 国の誕生 編集

此処に示す国の誕生とはすなわち支配権を保有する正当なる権威が其の統治を開始したと云うことであって、即ち神の国の統治が開始されたと云う事である。

人間の歴史に見ても諸国は国家の名称で呼ばれている。正式に制立されたる権威が組織されたる民衆を支配する場合に其れを国、民族若くは国家政府と呼ぶ。是等の諸国語は同一の意味であって何れを使用するも差支えないのである。国家政府と帝国は同一の意味である。そして若し其処に何等かの相違がありとすれば、帝国なる意義は単なる国家、政府若しくは民族よりは更に広範であると云うのみである。故に之を正式に云えば国家或いは民族は小規模より出発し、之が多数の民衆を抱合して最高絶対の統治権を行使する場合には即ち帝国の名称で呼ばれるのである。

聖書は「基督」即ち主イエスを首にして教会をその体とする一団を「聖き民」(ペテロ前書二章九節)と呼んでいる。誕生とは生れると云う事で、即ち有形的に作用を開始したと云う事である。此処に表象的辞句を用いて国の誕生と云ったのは神の国の政府即ち神の国家が権威を行使し始めたと云う事である。之を生む者は婦人である『シオンは産のなやみを知らざる先其の劬労の来らざる前に男子を産み出せり』(イザヤ書六十六章七節‐英訳参照)。[271]神の組織制度なるシオンは象徴的に婦人と呼ばれている。

統治支配の権は正式に制立したる権威者の手に保有される。メシアに就て聖書は斯う記す『政事は其の肩に在り』(イザヤ書九章六節)。『国はエホバのものなればなり、エホバは諸々の国人を統べ治め給う』(詩篇廿二篇廿八節)。イエスは地上に居られた時にご自身の事を「国」と呼ばれている。何故なればイエスはその主権者として神から任命されたからである(マタイ伝十章七節)。預言者は神の国に就て預言し、国その物と、其れを形成する個々の人間とを区別して説明して曰く『而して国と権と天下の国々の勢力とは皆至高者の聖徒たる民に帰せん至高者の国は永遠の国なり、諸国の者皆彼に事え[1]、且つ順わん』(ダニエル書七章廿七節)。神の国を運用する者は聖書の示す如く、主イエスと而して彼と共にありて彼の体となる者達である。

神は其の模型的王国即ちイスラエル民族を転覆されし時に、確定したる期間を示して其の予定のときが来たなれば「権威を有つべき者[2]」が現われて、同時に其の王者は己に属する王権を行使し統治を開始する事を示されている(エゼキエル書廿一章廿七節)。其の統治権を保有して神の予定の時に全地の支配を行う者は即ちメシアである(創世記四十九章十節)。故に其の正等の王者が其の王権を行使して統治を開始する時には、其の王者の統治開始と共に敵なるサタンの保有していた全地の支配権は当然終結する訳である。[272]神が猶太人に与えられたる無数の預言に基きて忠信なる猶太人はメシアの来る時に此の世が終結して、それと同時にメシア王国の運用が開始され彼ら猶太人が望んでいた祝福が与えらるる事を諒解して確認していた。イエスに最後迄忠信であった使徒十一人はイエスがメシアである事を信じていた。ペテロはイエスがメシア即ちキリストである事を明言してイエスより誉められたが、他の使徒達もペテロの此の言を聞いて同じ様に信じていたに相違ない(マタイ伝十六章十六節)

脚注 編集

  1. 編集者注:「事え」、つかえ。
  2. 編集者注:もつべきもの

広告ブロッカーが検出されました。


広告収入で運営されている無料サイトWikiaでは、このたび広告ブロッカーをご利用の方向けの変更が加わりました。

広告ブロッカーが改変されている場合、Wikiaにアクセスしていただくことができなくなっています。カスタム広告ブロッカーを解除してご利用ください。